亡くなった子にありがとうを伝える~にゃあちゃん

亡くなった子とのあのね 実例

こんにちは、猫専門アニマルコミュニケーターの赤ツナギです。

今回は、12歳8か月で逝去した「にゃあちゃん」との「あのね=アニマルコミュニケーション」を紹介します。

※飼い主さん(TOMO@東洋医学のぐち治療院)の許可頂いております。

 

 

にゃあちゃん プロフィール

 

2021年の2/20に、飼い主さんのお家の前で保護された、にゃあちゃん。

当時、猫風邪を患っていて、大変な状況だったそうな。

猫風邪、怖いからね…風邪のウイルスが体内にずっと残り続けることが多く、猫生に大きな影響を及ぼします。

 

それまで甘えん坊の猫さんばかりだった飼い主さん宅。

にゃあちゃんの写真を観て、おわかりになった方も居られるでしょうが、にゃあちゃんは軽々しく甘える派ではなく、人間をビシっと躾けるタイプの猫さんだったのです。

 

以下は飼い主さんの弁です。

にゃあは、にゃあが来る以前にいた2にゃんが抱っこも移動も誰にでも

愛嬌のある子たちだったので、猫はそういうものだと思っていた私に
猫の本来の姿やそれぞれ個性があるんだよ!と教えてくれて

今の保護して預かり家猫修行させたり、里親様にお話する時の注意点などを学ばせてくれた子です。

12年我が家にいて夏冬帰省してくる弟一家にはとうとう最後まで幻の猫となりました。
父と私にしか心を許してくれない…言い換えれば父と私には絶対の信頼と愛を捧げてくれました。

 

うんうん、居る居るこんな猫さん。

人間と同等か、それ以上に信念を持った猫さんです。

特定の人にしか、心を許さない。

白い猫やキジ白猫さん、サビ柄猫さんに多いですね。

 

にゃあちゃんは、今年の5/25に腎臓腫瘍であることがわかり、緩和治療を始めるも、翌月の6/19に旅立ちました。

 

保護猫活動をされている飼い主さんは、次々の預かり猫さん達を迎え、にゃあちゃんに我慢させることが多かったことや

積極的治療ではなく、緩和治療にしたことを、それで良かったのか・もっと生きられたのではないかと気にしておいででした。

 

にゃあちゃんが何を思っていたのか、あのね=アニマルコミュニケーションで詳しく聞いてみました。

 

 

にゃあちゃんとのあのね

あのね開始

あのねするために、にゃあちゃんに声を掛けると、お座布団の上で寝ていたにゃあちゃん、目はつむったままで頭を起こしてくれました。
「アンタ、誰なん?」とあくびしながら問われたので、自己紹介をして、おねえちゃんから頼まれて話に来たよと伝えました。

あ~はいはい、ご苦労様ですとでもいうように、頭を軽く上下させながら、こちらに来てくれました。
その際、伸びをしたのですが、脇が少し伸ばしにくそうでした。
脇、痛いん?と聞いたら「そうや。あ、でももう痛くないんやったわ」ともう一度、伸びをしていました。

その直後、にゃあちゃん若い頃に戻りました。

多分、8歳~10歳ぐらいです。
ここで、5歳ぐらいにはならないのが、なんとなく、にゃあちゃんらしい気がしました。

 

飼い主さんからの愛情を注ぐ

まずは愛情を注ぎます。
野口さんとお父様からの愛情を注ぎます。

愛情は爽やかで軽やかな風になり、にゃあちゃんの頭上から足元までを包むように流れます。
にゃあちゃんを包んだ風は、体内に入ってゆき、体の隅々へ優しくタッチします。
タッチされる度に、にゃあちゃんが体をくねらせます。「こちょばいねん!」
大好きの気持ちが優しくタッチしてくれるので、嬉し恥ずかしの気持ちになってました。わかる~!!

その後、愛情は大判のタオルケットになり、にゃあちゃんが上手に敷き拡げて、その上に座りました。
この状態で、あのね開始です。

飼い主さんからの質問へのお返事

『私がひとりになったことで費用を気にしたり、転居のことを気にしていたら申し訳ないと…死期を早めてしまったのではないかと。でも大好きだった…可愛い女子でした』
おねえちゃんが、そないいうてはったで。

「フン。一人になったのは確かに心配やったけど、どないなとするやろ思ってたし、もうえぇ案配してるやろ。結構あの子、頭えぇんやで」

「死期なんてもんは、自分で決めるモンや。アンタが気にせんでえぇねん。人がどないしたところで、大した違いはあらへん」
ここまでは一気にまくしたてるように話しましたが、でも大好きで可愛い女子でしたのくだりで、プイ!!と横向きました。

「そんなん一々言わんでもわかってんねん。アタシのこと大事にしてくれたんは、アンタとお父ちゃんだけや」
こっちを観ずに、そういってましたよ。

大好きとか愛してるとか可愛いという言葉は、にゃあちゃんにとっては、くすぐった過ぎるんでしょうね。

にゃあちゃんにとって大事なモノは、野口さんとお父様だけでした。
丸ごと自分を愛してくれる、心から愛しいと思ってくれる。それをとても強く感じ取っていました。

自分を丸ごと愛してくれることは、何よりもにゃあちゃんが求めていたことです。
気のキツさや、強情さ、ややこしさも、可愛い・大好きだよの気持ちで包んでくれて、とても嬉しく感じていました。

自分でも自分のことを「ややこしいやっちゃな…」と思う時がありました。
そんなややこしい自分を、野口さん達はどう思っているだろうかと考えたこともありました。
が、その懸念はすぐに吹っ飛びます。

お二人がどんなにゃあちゃんでも『可愛いやっちゃなぁ』と愛情を注ぎ続けたからです。

強く愛されたいという願いを叶えてくれた二人に、大好きの気持ち以上の、温かい感情が次々とにゃあちゃんの中で溢れてきます。
絶大な信頼と愛情が強固に作られていきました。

野口さんのことを聞いてみました。

忙しくてもアレコレとこなし、常に家族全員に気を配っておられた野口さんを、よく観ていました。
「もうちょっとノンビリしたらえぇのにと思うんやけど、あの子は細々と動いてる方が調子えぇみたいなんや」
娘というより、叔母と姪のような感じです。

もちろん、にゃあちゃんが叔母です。
親子や姉妹でなく、叔母と姪というちょっと微妙な距離感ですが、親友というのとは違う感じです。

「あの子はなぁ、気ぃ遣いのくせに無神経なとこもあってな、でも気にしぃで手を動かしてるうちに気が晴れるんや」

「他の人から見たらドライっちゅーの?冷たい子ぉに思えるかも知れんけど、段取りが上手いだけのこっちゃ」

「快適に過ごすためには、どうするのかいいか考えて、行動に移せる子や。賢いんや」

「他人さんに優し過ぎるとこは、ちょっと改めてもえぇと思うけど、無理やろうな」
姪っ子自慢をひとしきりしてくれました。可愛くて仕方ないといった感じです。

にゃあちゃんが来るまでは、猫って抱っこや移動も楽々やと思ってたから、えらいビックリしはったらしいで。
「ホンマ、アホちゃう?アタシをそこらへんの凡庸な猫と、一緒にせんとって欲しいわ」

『猫の本来の姿やそれぞれ個性があるんだよ!と教えてくれて今の保護して預かり家猫修行させたり、里親様にお話する時の注意点などを学ばせてくれた子です』
「教えたろ思ってやったことちゃうけど、そう思ってくれたんやったら、そういうことにしとこか」

言葉とは裏腹に、自分がしたことが役立っていたと言ってもらえて、喜んでましたよ。
他の猫さん達のお世話、そんなにイヤでもなかったようでした。

お父様のことを聞いてみました。
「アタシなぁ、あの人(お父様)の前では、子猫に戻れるねん。子猫で彼女で奥さん役させてくれる。ホンマ好きやねん」

「居らんようになって、どういうこっちゃろ・何でやろと混乱してもぉてな。誰に聞いても何も言わん。あれは辛かったわ…」
この時の野口さんの状況を、私が知っている限りで説明しました。

黙って聞いてくれていました。

「後から色々教えてもらって、納得したわ。かまへん。気にせんでえぇよ」
同居猫さん達も、誰もにゃあちゃんに教えておらず、ただただ辛く苦しい日々でした。
野口さんから説明してもらって、やっとその辛さを手放すことが出来て、ホッとしていました。

野口さんから説明を受けるちょっと前から、にゃあちゃんにはお父様の独り言が聞こえていました。
お父様がソファーかベンチのようなところに座っていて、首にタオルを巻いています。

膝に目を落として「膝が寂しいのぉ。膝が寒いわ。にゃあが居らんからやな」と両手を膝の端に置いて独り言ちています。
膝ににゃあちゃんが乗っているかのように、手を動かしています。
そんな光景と共に、お父様の小さな声の呟きを、にゃあちゃんは聞き取っていました。

最初は戸惑ったようですが、次第にちゃんともっとしっかり声が聴きたい。

姿が見えないか。
そう思って体を強張らせていたにゃあちゃんに、野口さんが事の次第を説明したところ、声と映像をはっきり捉えることが出来ました。

事情がわかったことと、お父様の声を姿をはっきり捉えることが出来て、やっと安心出来たにゃあちゃんでした。

その後は、お父様の声に導かれるように、あちらの世界へいく準備を始め、穏やかに旅立ってゆきました。

緩和ケアになさったこと、良かったと思います。

少しでも長く生きる為のケアだと、何してくれてんねんと怒ってたかもです。

預かり猫さんが来たことも、もうすっかり忘れてます。

我慢?知らんわ!ってな感じです。

強い愛情のやり取りをし、自分の感情や信念を損ねることなく、生涯を全う出来たことは、にゃあちゃんにとってこの上ない幸せでした。
今はお父様の膝にお父様のタオルを敷いて、その上で安心して寝ています。

お顔舐めてくれる子がそのうち出て来るそうなので、楽しみにしていてくださいね。
にゃあちゃんが、顔を舐めてくれる子を手配するそうですよ。

それが犬か猫か、はたまた違う種か、人間かは、教えてくれませんでした。
めっちゃ意地悪な顔で「教えたらへん」とニッコリしながら言われましたw

あのねは、以上です。
愛し愛されたにゃあちゃん、幸せな生涯でした。

あのねご依頼下さり、ありがとうございました。

赤ツナギ=寺岡由江

 

 

あのねを終えて

にゃあちゃんにとって大事な家族である、お父様の逝去が知らされなかったのは、どんなに辛く不安だったことでしょう。

いくら理解の良い子でも、例え雰囲気で察することが出来たとて、家族のだれからも説明がなかったのは、苦しかったと思います。

 

もちろん、言わなかったわけではなく、単にお父様の逝去に伴うアレコレで、忙殺されていただけです。

人間でもよくあることですが、知っていると思っていた・わかっていると思い込んでいたというやつです。

 

人間でも動物の家族でも、大切はことはキチンと事情の説明が必要です。

飼い主さん本人から、キチンと言葉を気持ちを伝えることは、私達が思っている以上に大事なことです。

真摯に向き合ってくれるかどうか。

言わんでもわかるやろは、通じないですからね。

 

飼い主さんのご感想

『赤ツナギ様
ありがとうございます。
また、この時間に泣いています。

実は父が亡くなる直前まで、手を太もものところで動かしていました。
あのねで聞いてくださったのを読みながら
あ!あの手指の動きはにゃあを探してたのか!と腑に落ちました。

そうなんです…舐める時は私を仔猫のように舐めてくれていました。
また、にゃあが現れたら(笑)大好きと伝えてください。
私も毎日言い続けます。
この度はありがとうございました。』

 

我の強い猫さんでありながら、素直に愛情を心身に受け、良い猫生を送られたにゃあちゃん。

事情を説明したら、すんなりと納得してくれました。

同時にわだかまりも消失。人間だと、こうも綺麗にモヤモヤ消えへんで…。

恨み言を言うでもなく、あの子もよう頑張ったわ・偉いわと労うにゃあちゃんでし

た。

にゃあちゃんから飼い主さんへ送られる愛情は、沢山の穏やかな光が降り注いでいました。

最後に風が愛情の光を押していました。

まるで飼い主さんの背中を押し、さ、行きなはれよと励ますかのようでした。

 

こうやって猫さんの幸せな生き様を見せてもらえるの、アニマルコミュニケーターの醍醐味ですわ。

飼い主さん、にゃあちゃん、お父様、ありがとうございました。